ブラッシング指導って何をするの?指導を受けるメリットと流れ

歯のコラム 2025年07月09日(水)

こんにちは。千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」です。

ブラッシング指導をする歯科衛生士

毎日歯磨きをしているのに虫歯や歯周病になる方は少なくありません。このようなケースでは、正しいブラッシング方法を身につけることで、リスクを大幅に減らすことが可能です。

歯科医院でのブラッシング指導では、一人ひとりのお口の状態に合わせた効果的な歯磨き方法を学べます。

本記事では、ブラッシング指導で行う内容や受けることで得られるメリット、実際の流れについて詳しく解説します。健康な歯を長く維持するためにも、正しい歯磨きの方法を身につけましょう。

ブラッシング指導とは

ブラッシング指導とはどのようなものか説明する歯科医師

ブラッシング指導とは、歯科医師や歯科衛生士が患者さん一人ひとりのお口の状態を確認して、最適な歯磨き方法や歯ブラシの選び方を指導する専門的なサービスです。

毎日歯磨きをおこなっていても、実際には磨き残しが生じます。プラークは虫歯や歯周病の原因となる細菌の塊であり、除去されなければお口の健康に深刻な影響を与えるでしょう。

自己流の歯磨きでは、歯と歯茎の境目や歯と歯の間、奥歯の噛み合わせ面など、汚れが溜まりやすい部分を十分に清掃できていない可能性があります。また、歯ブラシの持ち方や動かし方、力の入れ具合などを知らないまま間違った習慣で続けている方が多いのが現状です。

ブラッシング指導の大きな特徴は、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせた指導を受けることができる点です。歯並びや歯茎の状態、唾液の量や質、生活習慣などは人それぞれ異なり、効果的な歯磨き方法も人によって変わってきます。

そのため、その方に合った歯磨きの仕方を習得することで、より効果的に口腔ケアをおこなえるようになるでしょう。

歯医者で行うブラッシング指導の流れ

ブラッシング指導の前に口腔内の検査をする歯科衛生士

歯科医院でのブラッシング指導は、どのようにおこなわれるのか気になってはいませんか。ここでは、一般的な指導の流れを詳しくご紹介します。

口腔内の詳細な検査

最初に、歯科医師または歯科衛生士が患者さんのお口の中を詳しく検査します。

虫歯の有無や歯茎の炎症状態、プラークや歯石の付着状況、歯並びの状態などを総合的にチェックします。検査では、歯周ポケットの深さを測定するケースも多いでしょう。歯茎の健康状態を数値化することで、現在のお口の状況を客観的に把握します。

プラークの染め出し

染色液を使用してプラークの染め出しをおこなうこともあります。普段見えないプラークを赤く染めることで、磨き残しの部位を視覚的に確認できるでしょう。

染め出しで自分の磨き残しの多さに驚かれる方も少なくありません。特に歯と歯茎の境目や歯と歯の間、奥歯の裏側などに多くの磨き残しが見つかることが多いです。

現在の歯磨き方法の確認

患者さんに普段使用している歯ブラシを持参していただき、実際に歯を磨いてもらいます。歯ブラシの持ち方、動かし方、磨く順序、かける時間などを詳しく観察して問題点を特定していきます。

実際に磨いてもらうことで、なぜ磨き残しが生じているのか・どの部分の清掃が不十分なのかが明確になるでしょう。患者さん自身も、自分の歯磨きの癖や問題点を客観的に理解できます。

個別指導の実施

検査結果をもとに、患者さんの口腔内環境に合わせたブラッシング方法を指導します。正しい歯ブラシの持ち方から始まり、効果的な角度や動かし方、適切な力加減まで細かく指導していきます。

歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助的な清掃用具の使い方の説明もあるでしょう。手の大きさや器用さに合わせて、もっとも使いやすい用具を選択することも重要なポイントです。

ブラッシング方法の再確認

指導内容を患者さんに実際に練習してもらい正しくできているかを確認します。慣れるまで何度も練習をおこない、正しい方法を身につける必要があるでしょう。練習後には再度染め出しをして、磨き残しが減っているかを確認します。

歯医者でブラッシング指導を受けるメリット

歯医者でブラッシング指導を受けるメリットイメージ

歯科医院でブラッシング指導を受けることで、多くのメリットを得ることができます。ここでは、その具体的なメリットについて詳しく解説します。

虫歯・歯周病の予防につながる

ブラッシング指導の大きなメリットは、虫歯や歯周病の予防につながる点です。正しいブラッシング方法を身につけることで、プラークの除去率が大幅に向上し、口腔内の細菌数を減らすことができます。

歯周病は、糖尿病や心疾患、認知症などの全身疾患との関連も指摘されているため、適切な口腔ケアによる予防は全身の健康維持にも大きく貢献するでしょう。

個人に合った指導が受けられる

歯科医院でのブラッシング指導は、患者さん一人ひとりのお口の環境に合わせておこなわれます。歯並びや歯茎の状態、唾液の質、生活習慣などを考慮した指導を受けることで、ご自身にとってもっとも効果的な口腔ケア方法を習得できるでしょう。

例えば、歯並びが複雑な方には適切な角度でのブラッシング方法を、歯茎が敏感な方には優しい圧力での清掃方法を指導します。このように個別対応することで、より効果的な口腔ケアが実現できるのです。

正しい清掃用具の選択ができる

ドラッグストアなどでは、多くの種類の歯ブラシや口腔ケア用品が販売されています。

しかし、どれが自分に合っているのか判断できない方も少なくないでしょう。ブラッシング指導では、患者さんのお口の状態に合った歯ブラシの硬さや大きさ、補助的な清掃用具を選択してくれます。適切な用具を使用することで、清掃効果が格段に向上するでしょう。

口臭の改善につながる

適切なブラッシング方法を身につけることで、口臭の改善も期待できます。口臭の主な原因は口腔内の細菌が産生する揮発性硫黄化合物です。プラークを除去して細菌数を減らすことで、口臭を根本的に改善できます。

特に舌の表面に付着した舌苔の除去方法や、歯周ポケット内の清掃方法を学ぶことで、より効果的な口臭対策が可能になるでしょう。

全身の健康維持につながる

口腔健康は全身健康と密接に関連しています。歯周病菌が血流に入り込み、全身をめぐると、心疾患や糖尿病、認知症などのリスクが高まることが知られています。

適切な方法で口腔ケアをおこない、虫歯や歯周病を予防することで、全身の健康維持につながります。また、しっかりと噛める健康な歯を維持することで、消化吸収の改善や脳の活性化にもつながります。高齢期の健康寿命の延伸にも大きく貢献するでしょう。

経済的な負担を軽減できる

適切なブラッシング方法を身につけることで、将来的な歯科治療費を大幅に削減できる可能性もあります。

虫歯や歯周病の治療には時間と費用がかかります。そのため、正しい方法で歯磨きをおこない、虫歯や歯周病を予防することにより治療の必要性を減らすことができれば、経済的な負担の軽減につながるのです。

重度の歯周病治療や根管治療、補綴治療などは高額になることが多いため、しっかり歯磨きをして虫歯・歯周病を予防することが大切です。

自宅でブラッシングをするときのコツ

自宅でブラッシングをする女性

歯科医院でブラッシング指導を受けたあとは、自宅で実践して継続することが重要です。

しかし、多くの患者さんが指導を受けたのにうまくできないという悩みを抱えています。ここでは、自宅でブラッシングをおこなうときのコツについて詳しく解説します。

正しい歯ブラシの持ち方で磨く

歯ブラシの基本の持ち方は、鉛筆で字を書くときと同じペングリップです。なかには、歯ブラシを握って使用する方がいますが力の調整が困難な持ち方になるため向きません。ペングリップなら毛先を細かく動かせるだけでなく、適切な圧力でブラッシングできるようになります。

力を入れすぎると歯茎を傷つける原因となるため、毛先が軽く歯面に触れる程度の力を心がけましょう。

1箇所を20回以上、歯並びに合わせて磨きましょう。短時間でサッと磨くのではなく、1本1本の歯を意識して時間をかけることが大切です。全体で5〜10分程度かけて磨くことで、効果的にプラークを除去できます。

毎食後の歯磨きが理想的ですが、最低でも朝と夜の2回はおこないましょう。睡眠中に細菌が繁殖するのを防ぐためにも、就寝前のブラッシングはしっかりおこなってください。

フッ素入りの歯磨き粉を使用する

自宅で歯磨きをするときはフッ素が配合された歯磨き粉を使用すると良いでしょう。フッ素には歯の質を強化したり、虫歯菌の活動を抑制したりする効果があります。

歯の表面にフッ素がいきわたるように、まんべんなく磨くことが大切です。虫歯になりやすい歯の溝や歯間、歯茎との境目には確実に届けるよう意識してください。

歯磨き後に何度も口をすすぐとフッ素が流れてしまいます。うがいは少量の水で、できるだけ1回程度に済ませましょう。フッ素を歯面に留めることで、より高い予防効果が期待できます。

補助用具を活用する

歯ブラシだけでは歯と歯の間などの細かい部分に付着した汚れを完全に除去することは困難です。歯ブラシだけでは、口腔内の汚れの60%ほどしか落とせないといわれています。

デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、清掃効果を大幅に向上させることができます。デンタルフロスは毎日使用しましょう。歯間ブラシは歯と歯の隙間の大きさに合わせて適切なサイズを選択してください。

最初は使いにくく感じるかもしれませんが、継続することで慣れ、口腔内の健康状態も改善されます。

まとめ

正しい歯みがきを習慣化する家族

虫歯や歯周病を予防するためには、プラークをしっかりと落とす必要があります。歯科医院で定期的にプラークを除去しても、自宅でのセルフケアができていないと虫歯や歯周病は予防できません。正しい技術を身につけ、継続することが口腔健康の維持には不可欠でしょう。

歯科医院のブラッシング指導で教わったことを自宅で実践し、毎日の習慣として定着させることで、虫歯や歯周病の予防効果を最大限に発揮できます。歯磨きについて疑問や不安がある場合は、歯科医院で相談しましょう。

虫歯や歯周病を予防したいとお考えの方は、千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、インプラント治療やマウスピース矯正(インビザライン)、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな治療に力を入れています。ホームページはこちらWeb診療予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。