歯を失う原因とは?リスクと予防策も

歯のコラム 2025年10月08日(水)

こんにちは。千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」です。

歯を失う原因を説明する様子

私たちが日常生活を送るうえで、歯は食事や会話、さらには表情にまで大きな影響を与える大切な存在です。

しかし、年齢を重ねるとともに歯を失ってしまう人は少なくなく、日本では高齢者の多くが入れ歯やインプラントなどの補綴治療を必要としています。

歯を失うことは単に食べにくさを招くだけではなく、全身の健康にも深く関わっており、糖尿病や心臓疾患のリスクを高めることも指摘されています。

なぜ人は歯を失ってしまうのか、その背景には虫歯や歯周病といった病気だけでなく、生活習慣や予防意識の違いも大きく影響しています。

今回は、歯を失う原因やリスク、そして防ぐ方法から治療の選択肢までを詳しく解説します。

歯を失う主な原因とは

抜歯をする様子

歯を失う原因は1つではなく、複数の要因が重なり合うことで起こります。ここでは、代表的な原因を具体的に解説します。

歯周病による歯の喪失

歯を失う原因として最も多いのが歯周病です。歯周病とは、歯を支える歯ぐきや骨が炎症を起こす病気です。初期には自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうことが多く、沈黙の病とも呼ばれています。

歯周病は、歯と歯ぐきの間にプラーク(歯垢)がたまり、歯ぐきに炎症を引き起こすことから始まります。その後、歯を支える骨が徐々に破壊されていき、最終的には歯がぐらつき、自然に抜けてしまうこともあります。

30代以降になると発症率が高まり、特に喫煙や糖尿病、ストレスなどが進行を加速させる要因となります。

虫歯による歯の喪失

虫歯は、歯の表面が酸によって溶かされ、穴があく病気です。

初期段階であれば、簡単な治療で済むケースが多いですが、放置すると虫歯は深くまで進行し、歯髄(神経)にまで達して激しい痛みを伴います。その状態でも治療を受けずにいると、歯の内部が壊死し、最終的には歯を抜くしか選択肢がなくなるケースもあります。

定期的な歯科検診と早期治療が、虫歯による歯の喪失を防ぐ鍵です。

外傷や事故による歯の喪失

スポーツ中の接触や交通事故、転倒などにより歯が折れたり抜けたりする外傷も、歯を失う原因の一つです。特に前歯は顔の正面に位置しており、衝撃を受けやすいため注意が必要です。歯が完全に抜け落ちた場合には、早急な処置とその後の治療が必要となります。

激しい接触があるスポーツや転倒が起こりやすいスポーツをする場合には、マウスガードと呼ばれる専用のマウスピースを装着して予防することが重要です。

磨耗や噛み合わせによる歯の喪失

歯ぎしりや強い噛みしめが続くと、歯が少しずつすり減り、ひび割れや欠けが生じます。放置すると歯の寿命を縮める原因になり、やがて歯を失うことにもつながります。

特にストレス社会では無意識の歯ぎしりが増えており、気づかぬうちに歯を傷めている人も少なくありません。

歯を失うリスク

歯を失うリスクイメージ

歯を失うことは口の中だけでなく、全身の健康や生活の質に大きな影響を及ぼします。ここでは、そのリスクについて解説します。

噛む力の低下による食生活への影響

歯を失うと噛む力が弱まり、硬いものや繊維質の多い食品が食べにくくなります。結果として栄養が偏り、健康維持に必要なビタミンやミネラルが不足することもあります。食の楽しみを失うことで、心理的な満足感が低下する点も見逃せません。

歯並びや噛み合わせの影響

歯を失うと残った歯が空いたスペースに傾いたり移動したりし、歯並びや噛み合わせが崩れることがあります。

噛み合わせが乱れると一部の歯に過度な負担がかかり、その歯までも早く失いやすくなる悪循環が生じます。また、不正咬合は顎関節への負担を増やし、頭痛や肩こりなど全身の不調につながることもあります。

このように、1本の歯を失うだけでも口全体のバランスに大きな影響を与えるため、早期の治療や補綴は非常に重要です。

発音や見た目への影響

前歯を失うと発音が不明瞭になり、人との会話に支障をきたすことがあります。また、見た目の印象が変わることで笑顔に自信を失い、コミュニケーションに消極的になる人もいます。こうした心理的な影響は、生活の質を大きく下げる要因となります。

全身疾患への悪影響

歯を失う原因の一つである歯周病は、糖尿病や心臓疾患、誤嚥性肺炎などの全身疾患と密接に関連していることがわかっています。口腔環境が悪化すると全身の炎症リスクが高まり、健康寿命の短縮にもつながると報告されています。

認知症との関連

近年の研究では、歯を失う本数が多いほど認知症の発症リスクが高まるといわれています。噛む刺激が脳の血流を促し、認知機能を保つ役割を果たしているため、歯の喪失は脳の働きにも影響を与えるのです。

歯を失うのを防ぐ方法

歯を失うのを防ぐ定期検診を受診するイメージ

歯を失わないためには、日々のセルフケアだけでなく、生活全体を見直すことが重要です。以下では、実践しやすい具体的な方法を詳しくご紹介します。

毎日の正しい歯磨き

歯を守る最も基本的な方法は歯磨きです。

ただし、力任せに磨くと歯ぐきを傷つけてしまうため、小刻みにブラシを動かすバス法など、歯科医院で指導される磨き方を実践することが効果的です。1日2回以上、特に就寝前の歯磨きは欠かさないようにしましょう。

歯間ブラシやデンタルフロスも併用すると、歯と歯の隙間に残るプラークを効率的に除去できます。

定期的な歯科検診とクリーニング

歯科医院は、問題が起こってから行く場所ではなく、予防のために通う場所と考えることが大切です。3〜6か月ごとに歯科検診を受けることで、万が一、お口の中に虫歯や歯周病などのトラブルが起こっていても早期に発見・対処ができるようになります。

また、歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニングを受けることで、自宅での歯磨きでは落とせない汚れを除去してもらえるため、虫歯や歯周病の予防につながります。

食生活の改善

砂糖や甘い飲み物の摂取は虫歯菌の栄養源となり、酸を作って歯を溶かす原因になります。間食を控え、特に寝る前の飲食を避けることが予防につながります。

また、硬い野菜やよく噛む食品を積極的に取り入れることで、唾液の分泌が促され、口腔内の自浄作用が高まります。乳製品や小魚などカルシウムが豊富な食材を取り入れることも歯の強化に有効です。

生活習慣の見直し

タバコは歯周病を進行させる大きなリスク要因です。喫煙者は非喫煙者に比べて数倍も歯を失いやすいとされています。禁煙に取り組むことで、歯ぐきの血流が改善し、歯周組織の回復力が高まります。

また、ストレスは口腔環境にさまざまな悪影響を及ぼします。

強いストレスを抱えると免疫力が低下し、歯周病の進行を早めます。また、ストレスが引き金となって歯ぎしりや噛みしめの習慣が強まると、歯や顎関節に過度の負担がかかり、歯の摩耗や破折につながることも少なくありません。

運動や趣味でリフレッシュする時間をもち、十分な睡眠を取ることは、心身の健康と同時に歯を守ることにも直結します。

歯を失ったあとの治療の選択肢

歯を失ったあとの選択肢イメージ

万が一歯を失ってしまった場合でも、現代の歯科医療ではさまざまな治療法が用意されています。ここでは、代表的な選択肢を解説します。

入れ歯(義歯)

入れ歯は取り外し可能な人工歯で、費用を抑えられる利点があります。部分入れ歯から総入れ歯まで、歯の欠損の程度に応じて選択可能です。

ただし、違和感やズレが起こることがあり、定期的な調整が必要です。

ブリッジ

ブリッジは失った歯の両隣を削り、橋をかけるように人工の歯を固定する治療法です。噛む力が回復しやすく見た目も自然ですが、健康な歯を削る必要があるため長期的に負担がかかる点がデメリットです。

インプラント

インプラントは顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する方法です。見た目や噛み心地が天然歯に近く、他の歯に負担をかけないのが大きな利点です。

ただし、外科手術が必要で、費用も高額になる傾向があります。

まとめ

歯を失うのを予防するため丁寧に歯磨きをする女性

歯を失う原因は虫歯や歯周病だけでなく、外傷や生活習慣など多岐にわたります。そして、歯を失うことで食生活や発音、見た目だけでなく、全身の健康や認知機能にまで影響を及ぼすことがわかっています。

しかし、毎日の丁寧なケアや定期的な検診、生活習慣の改善を意識すれば、歯の喪失は大きく防ぐことが可能です。万が一歯を失ってしまった場合でも、入れ歯やブリッジ、インプラントといった治療の選択肢があります。

大切なのは、歯を失わないようにする意識と失った場合でも適切な治療を選ぶ姿勢です。自分の歯を一日でも長く守ることが、健康寿命を延ばし、日々の生活を豊かにする第一歩となります。

お口の健康を守りたいとお考えの方は、千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、インプラント治療やマウスピース矯正(インビザライン)、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな治療に力を入れています。

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