虫歯があるけどマウスピース矯正はできる?矯正注の虫歯を予防する方法も

歯のコラム 2025年07月23日(水)

こんにちは。千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」です。

マウスピース矯正のイメージ

マウスピース矯正を検討していて、虫歯があるけど治療は始められるのか、治療中に虫歯ができたらどうすればいいのかと不安を抱えている方も多いでしょう。実際、虫歯がある状態でもマウスピース矯正は可能なケースが多く存在します。

ただし、虫歯の進行度合いや治療のタイミングにより、矯正の進め方には工夫が必要です。

この記事では、虫歯とマウスピース矯正の関係について詳しく解説します。

虫歯があってもマウスピース矯正はできる?

虫歯があってもマウスピース矯正はできるか考える女性

軽度の虫歯であれば、矯正を進行させながら経過観察を行うこともありますが、ほとんどの場合は、矯正治療の開始前に虫歯の治療を終わらせます。歯科医師は初診時に口腔内を詳しく診察し、虫歯の有無やその程度を判断したうえで、矯正と虫歯治療の優先順位を見極めます。

虫歯治療を優先する理由

マウスピース矯正は、治療を始める前に専用のスキャナーで歯並びをデータ化し、その情報をもとに複数枚のマウスピースを設計します。この治療計画に基づいて歯が少しずつ動いていくため、途中で歯の形が変わると、マウスピースが合わなくなる可能性があります。

虫歯治療では、歯を削ったり詰め物・被せ物を施すため、歯の形状や高さが変わることが多く、それによってマウスピースの再製作が必要になる場合もあります。

また、虫歯は進行する疾患です。放置すると痛みや感染のリスクが高まり、場合によっては神経を取るような大掛かりな治療が必要になることもあるでしょう。こうした事態を防ぐためにも、矯正を始める前に虫歯を治しておくことが重要です。

マウスピース矯正中に虫歯になる主な原因

マウスピース矯正中に虫歯になる主な原因の一つである甘い食べ物のイメージ

マウスピース矯正は、見た目の自然さや取り外しのしやすさなど多くのメリットがありますが、その一方で虫歯リスクが高まりやすいという側面もあります。矯正中に虫歯になってしまう主な原因について解説します。

唾液の自浄作用の低下

唾液は、口腔内の健康を維持するために重要な役割を果たしています。食べカスや細菌を洗い流す自浄作用があり、虫歯や歯周病の予防に欠かせません。

しかし、マウスピースを長時間装着すると、唾液が歯の表面に触れにくくなり、その効果が十分に発揮されなくなります。インビザラインなどのマウスピース矯正では、1日20時間の装着が推奨されています。

マウスピースを長時間装着するため歯の表面が常にプラスチック素材で覆われた状態となり、唾液の流通が妨げられて虫歯のリスクが高まります。

口腔内の清潔性の問題

食後すぐに歯磨きをせずにマウスピースを装着すると、食べカスや糖分が歯に付着したままの状態が続きます。虫歯菌が活発に活動し、酸を産生して歯を溶かす原因となるでしょう。

また、マウスピースを外した際の歯磨きが不十分だと、プラークが蓄積されます。特に、歯と歯の間や歯茎の境目など、磨きにくい部分に汚れが残りやすくなります。

マウスピースの洗浄不足

マウスピース自体が汚れていると、装着時に細菌が口腔内に持ち込まれます。使用後のマウスピースには唾液や細菌が付着するため、適切な洗浄が必要です。

また、マウスピースの保管環境が不適切だと、細菌が繁殖しやすくなります。湿度の高い場所や清潔でない容器での保管は避けるべきでしょう。

定期的なメンテナンス不足

矯正治療中は定期的に歯科医院を受診し、口腔内の状態をチェックしてもらうことが重要です。受診間隔が長すぎると、虫歯の早期発見・早期治療の機会を逃す可能性が高くなるでしょう。

食生活の影響

糖分の多い飲み物や食べ物を頻繁に摂取すると、虫歯のリスクが高まります。マウスピースを外している短時間の間に甘い物を摂取し、すぐに装着すると糖分が歯に付着したままになるため虫歯になりやすくなります。

マウスピース矯正中に虫歯になったときは

マウスピース矯正中に虫歯になった女性

矯正中に虫歯になった場合は、どのような対処をするのか気になっている方も多いでしょう。マウスピースの矯正中に虫歯ができた場合、虫歯の進み具合によって対応が変わります。軽度の虫歯と重度の虫歯では、治療方法や矯正治療への影響が大きく異なります。

以下に、マウスピースでの矯正中に虫歯になった際の対応について解説します。

初期虫歯の場合

初期段階の虫歯であれば、フッ素塗布や経過観察により対応することがあります。この場合、マウスピース矯正を中断せずに継続できる可能性が高いでしょう。定期的な検診により虫歯の進行を監視し、必要に応じて治療をおこないます。

中等度から重度の虫歯の場合

虫歯が大きく進行している場合は、直ちに治療が必要です。歯を削って詰め物をしたり被せ物をする治療が必要になると、歯の形状が変化します。

歯の形が変わると作成済みのマウスピースが合わなくなる可能性があり、この場合マウスピースの調整や作り直しが必要になるでしょう。そのため、虫歯の進み具合によっては矯正治療を一時中断する場合があります。

特に、大きな虫歯の治療が必要な場合、治療完了まで矯正を中断することが多いです。中断期間は虫歯の大きさや治療の複雑さによって異なりますが、通常数週間から数か月程度です。この間、既に動いた歯が元の位置に戻らないよう、保定装置を使用することがあります。

なお、装置の再作製には時間と費用がかかるため、治療期間がその分長くなるでしょう。新しいマウスピースの作成には、通常1ヶ月程度の期間が必要です。虫歯治療により歯の形状が大きく変わった場合、当初の矯正治療計画の見直しが必要になります。

マウスピース矯正中に虫歯になるのを防ぐためには

マウスピースを洗浄するイメージ

マウスピース矯正をはじめ、矯正中は虫歯にならないように対策することが大切です。以下に、マウスピースの矯正中に虫歯になるのを防ぐ方法を解説していきます。

口内環境を清潔に保つ

食事後は必ず歯磨きをおこない、口腔内を清潔にしてからマウスピースを装着することが基本です。また、食後の歯磨きのタイミングでマウスピースも洗っておけば、装着後も口腔内の清潔な状態を保つことができます。

外出先など歯磨きが困難な場合は、最低でも口をゆすいでからマウスピースを装着するようにしましょう。可能であれば、歯ブラシや歯間ブラシを携帯して、外出先でも歯磨きを行なってください。

歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスや歯間ブラシを使って除去します。マウスピース矯正中は、歯間に汚れが溜まりやすくなるため、毎日の歯間清掃が重要です。

また、就寝中は唾液の分泌が減少するため、虫歯のリスクが高まります。就寝前は丁寧に歯磨きをおこなうことで、虫歯予防効果を高められます。

マウスピースの管理を徹底する

マウスピースは、使用後に必ず水で洗浄しましょう。歯ブラシや専用の洗浄剤を使用して、付着した汚れや細菌を除去することが重要です。

また、マウスピースは清潔で乾燥した専用ケースに保管してください、湿度の高い場所や不衛生な環境での保管は、細菌の繁殖を招くため避けましょう。

食生活の見直し

虫歯の原因となる糖分の摂取を控えることが重要です。特に、マウスピースを外している短時間の間に甘い物を摂取する際は、その後の歯磨きを徹底しましょう。

歯科検診を受ける

矯正治療中は、通常よりも頻繁に歯科医院を受診し、口腔内の状態をチェックしてもらうことが重要です。早期発見・早期治療により、大きな問題を未然に防ぐことができます。

また、歯科医師・歯科衛生士がおこなうプロフェッショナルクリーニングで、日常のケアでは除去できない汚れを取り除きます。これにより、虫歯や歯周病の予防効果が高まるでしょう。

歯科医院でおこなう高濃度フッ素塗布は、歯質を強化し、虫歯の予防効果を高めることができます。矯正治療中は、虫歯のリスクが高いためフッ素塗布が効果的でしょう。

まとめ

マウスピース矯正で綺麗な歯並びになって笑顔の女性

虫歯があってもマウスピース矯正は可能なケースもありますが、基本的には矯正治療を開始する前に虫歯の治療を完了させる必要があります。虫歯治療を優先させる理由は、治療計画の精度を保ち、マウスピースが確実にフィットするようにするためです。

また、マウスピース矯正中は通常よりも虫歯になりやすい環境になるため、適切な予防対策が不可欠です。食後の歯磨きの徹底やマウスピースの清潔な管理・定期的な歯科検診そして食生活の見直しなど、日常的なケアを怠らないことが重要です。

もし、矯正治療中に虫歯になった場合は、早期の治療により大きな問題を避けることが可能です。虫歯の予防と早期発見をするためには、定期的に歯科医院を受診しながら矯正治療を進めていきましょう。

マウスピース矯正を検討されている方は、千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、インプラント治療やマウスピース矯正(インビザライン)、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな治療に力を入れています。ホームページはこちらWeb診療予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。