Blog インプラント治療で失敗した6つの例と原因!治療前に知っておくこと
天然歯に近い噛み心地と見た目から、インプラント治療は非常に人気です。体内に人工物を埋め込む手術のため、治療には慎重になる人も多いでしょう。インプラント治療を検討している人は、インプラントによる失敗や後悔した例がないか気になるのではないでしょうか。
今回は、インプラント治療で失敗した例や原因、治療で後悔しないための歯科医院の選び方などを解説します。
インプラント治療で失敗した6つの例と原因
インプラント治療で失敗した例と原因は、以下のとおりです。
インプラントが脱落・動揺した
インプラント埋入直後にインプラントが抜けた、揺れたまま固定できなかった例です。
インプラントは通常、埋入手術から2か月~半年かけて骨と結合します。何らかの原因で、半年以上経過してもグラグラする場合や自然に抜け落ちる場合など、結合がうまくいかないことがあるのです。
以下の内容が、原因として考えられるでしょう。
・歯科医師のスキルと経験が不足していた
・手術中の感染対策を怠って細菌に感染した
・患者さまの歯ぎしりでインプラントに負荷がかかった
・術後の口内の衛生管理が不十分だった
埋入の位置や深さを誤った、顎の骨量が足りないのに骨造成を行わずにインプラント治療を進めた、術中に顎の骨を傷つけたなど、歯科医師の判断が誤っていてインプラントの脱落・動揺につながることがあります。
手術中の感染対策や術後の患者さまの衛生管理が不十分な場合、細菌に感染してインプラントがうまく結合できないでしょう。歯ぎしりや食いしばりの癖があると、インプラントに過度な負荷がかかります。脱落・動揺するなど、インプラントの失敗につながる可能性があります。
細菌感染による腫れや痛みがひどかった
手術中の感染対策や術後のメンテナンスが不十分な場合、痛みや腫れが強く生じるかもしれません。
インプラント埋入後の痛みや腫れは、術後2~3日をピークに1週間程度で落ち着くのが一般的です。
しかし、インプラントが細菌に感染すると痛みが長期的に続くことがあります。メンテナンス不足によってインプラントの周りに炎症が起き、術後数年経ってから腫れや痛みを生じるケースもあります。
腫れや痛みは薬でコントロールできる場合もありますが、炎症が重症化するとインプラントを外さないといけなくなることもあるため、注意してください。
麻痺が残った
手術中の手技が不適切で顎の骨にある神経を傷つけてしまうと、口元の知覚・運動機能に異常が起き、違和感が残ることがあります。
軽度の場合は改善されることもありますが、重度の場合は一生麻痺が残る可能性があります。術後に唇や口内に違和感があるときは、早めに歯科医師に相談しましょう。
神経の位置や太さには個人差があるので、ミスを防ぐには手術の前に精密な検査を行うことが重要です。
インプラント周囲炎になった
術後のセルフケアが不足していた場合やメンテナンスに定期的に通っていなかった場合、インプラント周囲炎になる可能性があります。
インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲組織が歯周病菌に感染した状態です。もともと、インプラントは天然歯と比べて細菌への抵抗力が弱いです。そのため、インプラント周囲炎になりやすく、症状の進行も速いといわれています。
インプラント周囲炎が重症化するとインプラントを残せなくなることが多いため、注意しましょう。
インプラントが破損した
インプラント本体の耐久性が低かった場合や、上部構造の噛み合わせの調整が不適切だった場合、インプラントが破損することがあります。
上部構造のみが壊れた場合は作り直しが可能です。インプラント体が破損した場合は、再度手術を受けなければなりません。
歯茎が下がって金属部分が目立つようになった
加齢や歯周病によって歯茎が下がると、埋入したインプラントの金属部分が目立つようになる場合があります。
インプラントの審美性を期待して埋入した人は、失敗したと感じるでしょう。
治療開始前にインプラント治療のリスク・デメリットを知ろう!
インプラントには多くのメリットがありますが、納得して治療を受けられるようにリスクやデメリットを理解することが大切です。
治療費が高い
インプラント1本当たりの費用相場は300,000~400,000円と、非常に高額な治療です。インプラントや上部構造の種類、骨造成などの追加手術がある場合、さらに費用が高くなります。
治療後も定期的に歯科医院でメンテナンスを受けるため、総合的にかかる費用を考慮して検討しましょう。
治療期間が長い
最初の診察からインプラントの上部構造が入るまでにかかる期間は、一般的に半年~1年ほどです。
治療部位や本数、顎の状態などによって個人差がありますが、インプラントは1〜2か月で完了する治療ではありません。入れ歯は1か月程度、ブリッジは1~2か月程度なので、ほかの治療に比べて治療期間が長いです。
治療期間中は定期的に歯科医院に通う必要があり、仮歯で過ごす期間もあります。噛みにくい状態が続くので、ストレスを感じることもあるでしょう。
一生ものではない
インプラントの寿命はおよそ10年前後とされており、一生ものではありません。メンテナンスをしっかりしていれば、寿命より長く使用できる可能性もあります。
しかし、メンテナンスが不十分な場合や口内の環境が悪化した場合、寿命より短い期間で使えなくなることもあるでしょう。
定期的なメンテナンスを受ける必要がある
インプラントは埋入すれば終わりではなく、定期的にメンテナンスを受ける必要があります。
セルフケアだけでは、十分に汚れや細菌を除去できません。今後10年前後メンテナンスに通う時間と費用を捻出しなければならないことを考慮して治療を受けましょう。
老後の管理が難しい
インプラントを健康に維持するには、丁寧なセルフケアと定期的なメンテナンスが大切です。
しかし、老後に管理が難しくなる人もいるでしょう。介護が必要になりご自身ではケアできない人や、定期的に歯科医院に通うことが難しくなる人もいます。
適切なケアを行えない場合や定期的にメンテナンスを受けられない場合、インプラント周囲炎になって歯茎が腫れる・痛む可能性があるので注意が必要です。
インプラント治療ができない人・向かない人
体の状態や病気などが原因で、インプラントの埋入が難しい人もいます。インプラント治療ができない人・向かない人は、以下のとおりです。
・歯周病や虫歯の治療が完了していない人
・骨粗しょう症の人
・高血圧症・糖尿病など持病がある人
・血液透析を受けている人
・喫煙習慣がある人
・妊娠中の人
・成長期(18歳前後未満)の人
インプラント治療は、人工物を顎の骨に埋め込む外科手術を伴います。そのため、体の状態や生活習慣によっては、術中や術後の安全を考慮して治療を避けたほうがよい場合があるでしょう。
インプラント治療が可能かどうかは、歯科医師が判断します。まずは歯科医院で相談しましょう。
失敗を避けるための歯科医院の選び方
インプラント治療の成功率は、治療を受ける歯科医院にも左右されます。失敗を避けるための歯科医院の選び方は、以下のとおりです。
認定医が在籍しているか確認する
日本口腔インプラント学会から認められた認定医が在籍する歯科医院を選びましょう。
インプラント治療は歯科医師免許があれば誰でも行えますが、知識や経験が豊富な歯科医師に担当してもらうほうが治療の成功率が高まります。
学会で認定をもらうには、学術論文や学会発表、研究、試験など、さまざまな基準を合格しなければなりません。学会から認められた歯科医師は高い知識と技術、向上心を持っていると考えられます。安心して治療を任せられるでしょう。
使用しているインプラントメーカーを確認する
治療に使用するインプラントが、有名なメーカーであるか確認しましょう。
インプラントメーカーは世界に100以上ありますが、有名なメーカーほど実績が多く、耐久性や安全性に優れています。引越しなどで通院する歯科医院が変わっても、有名メーカーの部品なら取り寄せが容易です。インプラントに問題が起きた場合、修理がスムーズに進むでしょう。
有名なインプラントメーカーの例は、以下のとおりです。
・ストローマン
・アストラテック
・ノーベルバイオケア
・京セラ
設備と行っている感染対策を確認する
インプラント治療は外科手術を伴うため、設備が充実していて感染対策が徹底された歯科医院を選んでください。特に、術中の感染を予防するための滅菌診察室(インプラント専用診察室)や、精密な検査を行うための歯科用CTがあるかをチェックするとよいでしょう。
まとめ
さまざまな要因で、インプラント治療が失敗したという例も実際に存在します。インプラント治療のリスクを理解し、インプラント治療の実績が豊富な歯科医院で治療を受けることで失敗を回避できるでしょう。
インプラント治療について気になることや不安なことがあれば、まずは歯科医院で相談してください。
インプラント治療を検討されている方は、千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。