Blog 奥歯を失った場合にインプラントを選択するメリットと注意点を解説!
「奥歯でもインプラント治療はできる?」「奥歯を失ったときにインプラントを選ぶメリットは?」など、奥歯のインプラント治療に関する疑問を抱えている方がいるかもしれません。前歯と比べると目立たない奥歯ですが、インプラント治療を行う場合にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
今回は、奥歯のインプラント治療について解説します。奥歯を失うことによる悪影響や、奥歯のインプラント治療の注意点、費用の相場などもご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
奥歯とは?
永久歯は親知らずを除くと28本あり、生えている位置によって3つに分類されます。
・切歯
・犬歯
・臼歯
切歯はものを噛み切る歯、つまり前歯のことです。犬歯は、前から数えて3番目の歯です。奥歯は、正確には「臼歯」といいます。
臼歯は小臼歯と大臼歯にわけられますが、小臼歯は上下左右に2本ずつ、大臼歯は3本ずつ存在します。最も奥にある第三大臼歯は親知らずともよばれ、生えてこない方や存在しない方も多いです。
奥歯は、食事の際に非常に重要な役割を果たします。最も噛む力が強く、噛み合わせの高さを決めるのが奥歯です。顔のバランスや発音など、食事以外にもさまざまな影響を与えるといわれています。
奥歯を失うことによる悪影響
奥歯は食物を噛み潰すだけでなく、ほかにもさまざまな役割を持っています。奥歯がないと、どのような悪影響があるのでしょうか。
奥歯を失うことによる悪影響は、以下のとおりです。
・食事が進まなくなる
・力が入りづらくなる
・発音しづらくなる
・顔のバランスが悪くなる
それぞれ詳しく解説します。
食事が進まなくなる
奥歯は、食事をするときには欠かせません。食べ物を噛み砕く・すり潰す役割があるためです。
食事の際に奥歯にかかる力は、体重と同程度とされています。そのため、奥歯を失うと食べ物を噛み砕く能力が大きく低下する可能性があるでしょう。
適切に噛み砕かれていない食物が胃腸に運ばれると、消化吸収が悪くなることにもつながりかねません。
力が入りづらくなる
重いものを持つときや運動するときなど、奥歯を噛むことで体に力が入ります。奥歯が整っていないと、歯を食いしばって力を入れるのは難しいでしょう。
奥歯があることできちんと体に力が入り、身体機能を活かすことができるのです。本格的なスポーツを行うときだけでなく、荷物を持つ、瓶の蓋をあけるなど、日常生活における動作にも影響を与えます。
発音しづらくなる
奥歯を失うと、発声するときに空気が漏れます。特に、イ段を発音しづらくなる場合が多いです。
発音が悪くなると、会話をストレスに感じる可能性があるでしょう。
顔のバランスが悪くなる
輪郭を保つなど、顔のバランスにも奥歯は影響しています。奥歯がない状態で食事すると、顎に負担がかかり、口を動かしにくくなる場合や、動かすときに痛む場合があるでしょう。
顎の筋力が低下し、顔のバランスが悪くなることが考えられます。
奥歯を失った場合にインプラントを選択するメリット
奥歯をインプラントにする場合は、どのようなメリットがあるのでしょうか。主に、以下の4つが挙げられます。
・痛みや違和感が少ない
・ご自身の歯のように噛める
・噛み合わせがよくなる
・発音しやすくなる
それぞれ確認しましょう。
痛みや違和感が少ない
入れ歯は、合わないと違和感が生じ、歯茎に当たって痛むことがあります。
一方インプラントは、顎の骨に埋め込んだ人工歯根の上に人工歯を被せます。そのため、強く噛んでも入れ歯のようにずれることがなく、痛みや違和感も少ないでしょう。
ご自身の歯のように噛める
歯を失った場合の治療として、インプラントのほかに入れ歯やブリッジが挙げられます。3つの治療法のなかで、最も噛む力が本来の歯に近いのがインプラントです。
インプラントに使われているチタンは、周りの組織と結合する性質があります。顎の骨としっかり結合するのでご自身の歯の構造と近く、自然な使用感を得られるでしょう。
噛み合わせがよくなる
奥歯を失うと、噛むときに歯に加わる力が偏ります。噛み合わせのバランスが崩れる可能性があるでしょう。
インプラントによって噛み合わせが改善すると、顔の輪郭の歪みなども改善されるでしょう。また、噛み合わせが悪いと頭痛や肩こりを引き起こす恐れがあります。全身の不調を解消するためにも、インプラントは有効です。
発音しやすくなる
奥歯を失うと、空気が漏れて発音が悪くなる場合があります。特にイ段が発音しづらくなることがあり、会話中のストレスとなり得ます。
入れ歯は会話中にずれることがありますが、インプラントは、ずれる・外れる心配はありません。
奥歯を失った場合にインプラントを選択するデメリット
奥歯をインプラントにする場合、メリットだけでなくデメリットもあります。奥歯を失った場合にインプラントを選択するデメリットは、以下のとおりです。
・治療費が高い
・治療期間が長い
・骨の状態によっては別の治療が必要になる
それぞれ解説します。
治療費が高い
インプラント治療は基本的に自由診療です。そのため、治療にかかった費用は全額負担しなければなりません。ある程度まとまった金額が必要となるのは、デメリットといえるでしょう。
ただし、病気やケガが原因であれば、保険が適用される可能性もあります。診察時に歯科医師に相談するとよいでしょう。
治療期間が長い
インプラントの治療期間は、最低でも3か月程度必要です。インプラントを顎の骨に埋め込んだあと、骨と結合するまでにある程度の時間を要するためです。
個人差があるため状況にもよりますが、1年ほどかかるケースもあります。入れ歯やブリッジに比べて、インプラントは時間がかかる治療なのです。
骨の状態によっては別の治療が必要になる
インプラント治療を行うには、顎の骨の状態がよいことが重要です。骨の量や高さが足りないと、インプラントを埋め込むことができません。
顎の骨が不十分だった場合、GBRやサイナスリフトという骨造成治療や、骨移植などを行う必要があります。
ただし、骨を増やす治療を受けたからといって、すぐにインプラント治療に移れるわけではありません。また、骨造成や骨移植に対応している歯科医院は多いとはいえないのが現状です。
奥歯のインプラント治療を受ける場合の注意点
奥歯のインプラント治療を受ける場合には、気をつけるポイントがあります。以下の点に注意しましょう。
・十分なカウンセリング・検査を受ける
・治療を妨げるリスク因子を減らす
・定期的にメンテナンスを受ける
それぞれ確認しましょう。
十分なカウンセリング・検査を受ける
インプラント治療を行うにあたって、まずは十分なカウンセリングを受けましょう。外科手術が必要な治療なので、持病や内服薬の有無・確認は非常に重要です。
カウンセリングによって問題ないと判断されたら、精密検査に進みます。歯科用のCTで顎の骨の状態や噛み合わせなどを調べ、画像診断を行います。
下顎には下顎管と呼ばれる血管や神経が走行しているトンネルがあるため、傷つけないようにCT画像で位置を確認することが大切です。
治療を妨げるリスク因子を減らす
インプラント治療にはメリットだけでなく、さまざまなリスクが存在します。特に、心疾患や糖尿病、骨粗しょう症などの全身疾患がある場合には注意が必要です。
安全に治療を進められるよう、手術を受ける前にリスク因子をできる限り取り除きましょう。
喫煙の習慣も、インプラント治療を妨げる要因となり得ます。喫煙する方は歯科医師と相談し、計画的に禁煙を進めるとよいでしょう。
定期的にメンテナンスを受ける
インプラントは比較的寿命の長い治療法とされていますが、長く使うためにはメンテナンスが欠かせません。定期検診では、口腔内の状態のチェックのほか、クリーニングや歯磨き指導なども行います。
インプラントを長持ちさせるためにも、定期的に歯科医院を受診しましょう。
奥歯のインプラント治療の費用
奥歯のインプラント治療では、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。奥歯1本あたりの費用相場は、約300,000~400,000円とされています。
内訳は、以下のとおりです。
<奥歯のインプラント治療の費用の内訳>
診察料(カウンセリング・検査含む) | 約10,000~50,000円 |
インプラント手術料 | 約150,000~300,000円 |
人工歯作成料 | 約50,000~150,000円 |
インプラント治療は基本的に自由診療であることから、歯科医院によって費用が異なります。メーカーや製品によっても差があるので、実際の費用は歯科医院で確認しましょう。
まとめ
奥歯とは臼歯のことで、食事だけでなく発音や顔のバランスにも影響を及ぼす可能性のある非常に重要な歯です。インプラントは痛みや違和感が少なく、ご自身の歯に近い感覚で噛めることが大きなメリットです。
一方で、治療にかかる費用が高く、期間も長くなる傾向にあります。定期的なメンテナンスが必要になるなど、治療が終わってからもしっかり管理する必要があるため注意が必要でしょう。
インプラントは入れ歯やブリッジと比較すると、耐久性や機能性、審美性に優れています。
奥歯のインプラントを検討されている方は、千葉県野田市にある歯医者「R歯科・矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。